オールドサッカーフリーク
「オールドサッカーについて語りませんか?(復刻版)」というヤフー掲示板に投稿を始めて6年になる者です。過去の投稿内容を中心に記録したいと思います。
バーレーン戦勝利
98フランス大会最終予選の緒戦、ウズベキスタン戦(6-3)を思い出すような苦い勝利で、勝ち点3をゲットしたのだけど、大量得点を挙げたんだけど、相手を勢い付かせ、長いリーグ戦の今後を考えると不安を抱かざるを得ない、といった結果でした。

先制点は18分、俊輔のFK。ワールドクラスの一振りでした。早い段階で主導権を握った日本は、試合前に用意した戦術、即ちポゼッションを高め、相手ボールに素早くチャレンジし、ロングカウンターの芽をも潰し、相手を消耗させる、が機能し、楢崎のダイヴィングセーヴが一回あっただけの、安定した守備を披露しました。

そして前半も1-0のまま終了かという44分、流れとしては理想的な時間帯に追加点が入りました。バーレーン陣内深い位置でのFKを遠藤が彼らしく丁寧に出したマイナスパスから、俊輔のダイレクトシュートがPKを呼び、日本が世界に誇る、もう一つの巧の技、「エンドーのコロコロPK」が決まりました。攻撃は、俊輔、ヤット、松井の連動性が滑らか且つスムーズで、達也の1対1でチャレンジする姿勢が最大の前への推進力になっていました。

中澤、玉田、トゥーリオ、楢崎の安定感はいつも通りで、前半フィットしていなかったのが両翼と長谷部。内田と長谷部は、俊輔達の軽快なリズムに共鳴する感性に欠けるのか、ノッキングを起こしていました。阿部はウルグアイ戦に続く左翼起用でしたが、彼の良さが全く活きていないばかりかこのチーム最大の弱点になっていました。彼はポリヴァレント性が売りですが、LBだけは無理のようです。しかし前半最大の誤算は、松井はイエローを受け次試合(ホームのウズベク戦)出場停止になったこと(恐らく大久保の復帰となるでしょう)くらいで、出来としては及第点をはるかに超えるものでした。

気分的に余裕を持って臨んだ後半、バーレーンの焦燥感を利用してカウンターから止めの3点目、そして無失点で終える、これが命題でした。もはや日本病とも云える、「あないノーマークのごっつあんゴール、どないしたら外せるねん」を長谷部、達也が連発した辺りから流れはバーレーンに。

バーレーンはモチベーションを高くキープしていました。66分にモハメド・ハッサンが退場になったことで、悪い影響を受けたのはむしろ日本の方でした。それまで運動量でポゼッション優位を確立していたのに、数的有利を活かしたポジショニングでポゼッションを保とう、つまり省エネで賢くキープしようとして、自ら動くことで能動的にスペースメイクするのではなく、相手のいない場所でパスを待つ受身の姿勢に替わることで全体に動きが落ち、バーレーンを思い切りのよい攻めを招くyぷな隙を生んでしまいました。

更に、交替出場した憲剛のミドルが決まった85分に勝手に試合を見切ってしまった日本に対し、最後まで諦めないバーレーンに、サッカーの神様はご褒美を用意していました。後半、数的不利のバーレーン選手達は、覚悟を決めて個人で勝負を挑んでいました。緩急と大きな切り替えしが日本選手に有効だという手応えを得ていたのではないでしょうか。突っかけてストップ、鋭い切り替えしで日本の守備者を逆に飛ばして、逆サイドのスペースにパス、という効果的な攻めの形が、日本選手の疲労からくるフィジカルの低下も手伝って、ボディブローのように繰り出されて続けました。

そして42分、右サイドからの長いダイヤゴナルのパス。このパスが低く速いライナー性だったことが、途中でカットしようとする日本ディフェンダーの目測を誤らせ、長谷部に替わった今野と内田のカヴァーリングの受け渡しのミスが重なって、左サイドを攻め上がり、どフリーになっていたDFサルマン・イサまで通ってしまいました。日本は昔からダイヤゴナルなアーリー・クロスを苦手にして来ましたが(特に韓国戦)、このチームも例外ではありません。

3-1となって、日本はキープに徹するのか、1点を取りに行くのか、試合をどう終わらせるかというチームコンセプトが一致せず、混乱し曖昧なプレーになったことは明らかでした。フワーっとした攻撃をカットされて繰り出されたカウンターに混乱を来たし自殺点を献上(トゥーリオ)という、惨めな姿を晒してしまいました。

更なる得点の予感、奇跡の逆転勝利を期待する観衆の、イスラムっぽさが微塵もない津波の様な自然発生的な大歓声に後押しされた、バーレーンの士気は最高に盛り上がり、怒涛の攻めを前に日本はたじたじの態。冒頭のウズベク戦を思い出したのはこの時間帯で、96アトランタ五輪予選のサウジ戦の終盤のハラハラドキドキ感がそこにはありました。

バタバタのまま、試合は幸いにも3-2と勝ち切りましたが、今後に繋がる勝利とはならず、一戦必勝に徹する以外の戦略はない状況を変えることは出来ませんでした。次のウズベク戦(ウズベクはアウェイのカタール戦を0-3、カタール、衝撃的な強さです)、絶対勝利が唯一絶対の目標です。
バーレーン戦を前に
北京五輪に忙しく、全く書き込みが出来ませんでした。

バトミントン女子スエマエが世界ランク1位を倒した時の喜びのシーン、フェンシング男子フルーレの太田雄貴選手の雄姿、100m平泳ぎ優勝インタビューでの北島康介選手の「ここに戻ってこれると思わなかった」という意外な心痛の言葉、女子レスリング無敵の王者吉田沙保里選手の涙、ソフトボール上野由岐子選手の「誰よりも強く信ずる者が勝つ」という信念の熱闘と優勝後解説の宇津木妙子元監督の涙交じりの「ありがとう」の言葉、そして米国、豪州の選手たちとともに2016年大会での復活を願うシーン・・・。

フェルプス、ボルト、バスケット男子米国チームといったスーパースターの快挙もありましたが、五輪は出場したアスリートが想像を絶する厳しい研鑽を積んで来たかが明らかとなる、感動ドラマの発表会、といった趣もあり、銅メダルだったとはいえ谷亮子選手のようにママさんでもこんなにがんばれるんだ、という感動の涙を何度も味わせてくれました。

サッカーも、なでしこが、本物の「日本らしさ」を世界に表現してくれました。ワンタッチ、ツータッチで素早くパスを交換し、集団で連動しながらボールを相手サイドに運んで行く、組織プレーの極地を見た思いでした。澤穂希のボランチ・コンバートが最大のヒットでしょう。前を向いてプレーする時の彼女の展開力は物凄いセンスで、あれだけのゲームメーカーは、今のサッカー界では稀有な存在だと思います。お母さんの「自慢の娘です」というコメントも100点満点でした。

それに比べ男子は惨めでした。私は本田圭祐はラグビー界に転進すればスターになれる、北京代表からは外して欲しいと訴えてきましたが、奇しくもバベルに対するハンドオフで証明してくれました。あんなプレーは、昔から岡野さんが「ラグビーならナイスプレーですがねえ」と何度も仰っていたものです。まあ、彼はダイヤモンド・サッカー世代ではないので「あれは反則ではない。レフェリーに試合を壊された」と責任転嫁したようですが。

梅崎司、柏木陽介、金崎夢生、渡邉千真のようなセンス溢れる選手を使わず、ボランチの谷口博之をセカンド・トップ、セコンドプンタのモリモートをルカ・トニの如くファースト・トップに使う戦術もアンビリーバブルなものでした。そして「悔いはない」の反町監督のコメント。がっかりでした。どうにもやっぱり、コイズミさんもそうですが、慶應出身者は一本ずれている感をまた強くしました。まあ、私も留年を含んで5年間お世話になった大学ですが・・・。

最後は愚痴になってしましましたが、岡田ジャパンの方も心配です。ウルグアイ戦はプレスレスで1-3の完敗、流通経済大にもやはりプレスがかからず0-1。岡ちゃんの引「いて受けては駄目だ」「前へ」という意味が、代表選手ともあろう者が分かっていないのでは、と心配です。

元祖オランイェの「ボール狩り」は、ボールホルダーに一人がプレッシャーを掛け始めると、同時に最も近い者がもう一人の狩人として襲撃します。狩人2のポジションに、直近の味方がスイッチします。スウィッチャー1のポジションには更に直近のスウィッチャー2が移動。即ち全ての選手が「前に」シフトする(ズレる)のです。相手のCFがフリーになりますが、これはスウェーパーと化したゴールキーパーがマークするのです。パートタイム・プロだったヤン・ヨンブブルート起用の真価はここにありました。

日本代表の流経戦の記事を見ると、「闇雲に前線の選手がボールを追いかけて突っ込むと、中盤にポッカリとスペースが開き、いいようにそれを利用されてた」ようです。ラインが間延びすることなど「プレス」ではあってはならないことで、ジーコ・ジャパンも中田英と宮本恒の間でラインコントールの一致が見られず崩壊しました。

「前から」の守備=広大なスペースは最終ラインの帰陣とGKでカヴァーする、そういう了解と覚悟がなくてはなりません。バルサのプジョールやレアルのカンナバーロが、どれだけ全霊を込めて個人能力で相手の攻撃を、一杯一杯になりながらストップしているか、学ぶべきでしょう。中澤とトゥーリオなら、アジアレヴェルなら、それでもカヴァー出来る、岡ちゃんはそう決めたということです。

指揮官が、何故そこまで前への意識に拘るかというと、アウェイとはいえバーレーン戦は絶対に勝つ、ということが命題だからです。ホーム&アウェイのリーグ戦の緒戦、第1次岡田ジャパン、ジーコ・ジャパン、反町ジャパンは敗戦、それに対しトルシエ・ジャパン、なでしこは引き分け、この差は限りなく大きいものです。

バーレーン戦は勝利あるのみ、海外組の俊輔、大輔が、今悪い流れにある岡田ジャパンを変えて欲しいと願わずにはおれません。